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揺らぐ公文書の存在意義 加計面会問題で食い違い

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5月24日、野党は「誰がウソつきか?」と題した街頭アンケートを実施した(朝日新聞社/時事通信フォト)

政府のあちこちで、あるはずの公文書がなくなり、なかったはずの公文書が出てきて、本省の局ぐるみで公文書を書き換える。そして、その責任はさほど問われない。日本は今、官僚にとっては天国のような時代になったので、この問題もこんなふうになるのではないかとも想定はしていたが、起きてみるとやはり驚き、あきれてしまった。

愛媛県が参議院に提出した、学校法人「加計学園」による獣医学部新設に関する文書に記載されている安倍晋三首相と学園理事長の面会をめぐり、県と安倍首相の言い分が対立。その矛盾を審議するための5月28日の集中審議直前、学園が実際は面会がなかったと発表し、安倍首相の主張を下支えする役割を果たしたのだ。

なぜ否定までに時間がかかったのか。安倍首相や県などに謝罪、説明はなかったのか。関係者はなぜ記者会見を開かないのか──。素朴な疑問は数限りなく浮かぶ。が、今回の学園の発表が真実だとすれば、県職員に架空の面会の内容を伝えていたことになるため、県文書は正確で、安倍首相の言い分も正しいということになる。しかし、問題は終わるどころか新たな段階に入ったと言える。

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