キャリアチェンジにつながる社員の学び直しに慎重姿勢だった企業側も、動きだしている。
大日本住友製薬|管理職の前向きな外部出向を支援
人生100年時代。生涯現役で働き続けるには会社員時代からの準備が不可欠だ。そんな準備を後押しする企業がある。大日本住友製薬もその1社だ。
同社が狙うのは中高年社員の再活性化。50歳の管理職社員全員を対象に1泊2日の集合研修を行い、それまでのキャリアを棚卸しさせ、今後のプランを策定させる。原田徳仁・人事部キャリア開発担当オフィサーは、その狙いは「行動変容にある」と語る。
同制度を導入した背景には、管理職の活躍の場を社外に広げたいという狙いがあった。そこで課題となったのが「定年までいるのがステータス」という意識の改革。そこで冒頭の研修を開始。さらに外部企業への出向支援を本格的に拡充し、53歳の管理職には人事部が個別面談も行っている。
社員の不安を減らす工夫も凝らした。60歳までは原則として「在籍出向」とし、給与などは大日本住友並みを保証。65歳まで雇用する企業を出向先の条件にした。
運用で気を配ったのは、いわゆる“人減らし”をしないことだ。原田氏は「成績下位層に照準を合わせた施策は会社にもダメージが大きい」と経営陣に直訴した。
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