通貨ごとの違いは何か。『これでわかったビットコイン』(太郎次郎社エディタス)などの著書がある慶応義塾大学SFC研究所上席所員の斉藤賢爾氏に解説してもらった。
2008年にサトシ・ナカモトを名乗る人物ないし集団によって構想が公開され、09年に実稼働を始めたデジタル通貨システムおよびその通貨。全員が同じ台帳を複製して持ち、台帳への追記にわざと労力(電力)がかかるようにして、改ざんへの耐性と取引の検証性を同時に備えるようにしたブロックチェーンとともに発明された。
統制する中心がなく、ユーザーによる取引データをマイナーと呼ばれる参加者たちが収集・検証し、労力をかけて台帳の1ページ(1ブロック)にまとめる。ページの作成に成功したマイナーに報酬として支払われる形でビットコインが生まれるが、それは平均10分間に1回起きる。報酬は約4年に1度半減し、全体で2100万BTC以上は作られない。多くの仮想通貨がブロックチェーンに基づき類似の動作をする。
13年に提唱されて以降、開発が続けられているブロックチェーンであり、その基本となる通貨はイーサと呼ばれる。単なる通貨にとどまらず、アプリケーションの実行基盤として動作する。イーサリアム上のアプリケーションはスマートコントラクト(デジタル資産をルールに従い自動的に操作する仕組み)と呼ばれる。このスマートコントラクトのプログラムが実行されるごとに、手数料としてイーサが支払われる。実行基盤を車のエンジン機能に見立てて、イーサは暗号燃料とも称される。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら