国民生活センターへの仮想通貨取引に関する相談の件数が急増している。2017年度は9カ月累計で約1600件と16年度の約2倍に膨らんでいる。仮想通貨トラブルの増加を受け、昨年9月には金融庁、消費者庁、警察庁が合同で注意喚起を行った。
筆者が担当する仮想通貨取引に絡む詐欺事件では、16年半ばに某会社(以下A社)が高齢者宅にパンフレットを送りつけ、「仮想通貨を転売すれば利益が得られる」として対面取引し、生活資金の1500万円をだまし取った。
昨年の資金決済法改正で登録制が導入され、仮想通貨交換業者(以下、業者)が規制対象となった。足元では仮想通貨の価格変動が大きく、投機のための商品という色合いを強めている。
仮想通貨を保有する場合、金融庁の登録業者かどうかを確認して、本人確認の書類を提出し、日本円を取引口座に入金してから購入するのが基本だ。もし対面や訪問で下のような契約書を提示されたら、契約してはいけない。
株式など投資経験がまったくない人が仮想通貨の保有を考えるならば、価格が乱高下するなど、非常にリスクが高いことを理解する必要がある。保有する金額は自分の生活に影響が出ない程度にとどめるのが賢明だ。

資産凍結は業者任せ
資金決済法では、業者と顧客の資産の分別管理が業者に義務づけられ、仮想通貨を新たな決済手段の一つとして位置づけたのが特徴である。だが、前述の詐欺事件を担当した経験から、決済手段としてまだ不明な点があるといわざるをえない。
この事件では、A社が仮想通貨売買に利用していた取引所(昨年12月末現在、金融庁未登録)を第三債務者として、裁判所が債権差し押さえ命令を出した。しかし、残念ながら当該業者は対応に慣れていない。金融庁が公表している業者向けの事務ガイドラインには、本件のような債権差し押さえや保全のほか、顧客の破産や相続が発生した場合の記載はない。裁判所の命令を受けて資産凍結を行うかどうかも、現状は業者任せになっている。
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