2018年の米国経済は、筆者の見るところ、金融政策と株価を軸に波乱含みだ。
大型ハリケーン襲来といった悪材料にもかかわらず、米国の実質GDP(国内総生産)成長率はこれまでのところ、潜在成長率とされる2%前後で上下動し、「巡航速度」にある。FOMC(米国連邦公開市場委員会)参加者による経済見通し(中心的傾向・中央値)にもおおむね沿った動きである。
トランプ大統領と議会共和党が実現を図る税制改革は法人減税が主体で、景気を無理に刺激するような家計を対象とする大型の減税措置が含まれておらず、安定成長経路がかき乱されないという意味で、むしろポジティブに受け止めることもできる。
通常、報道で取り上げられる前期比年率ではなく、相対的に振れが小さい前年同期比で米国の実質GDPの伸び率を見ると、16年4〜6月期の1.2%をボトムにして緩やかながらも徐々に加速しており、17年は7〜9月期まで3四半期続けて2%台である。
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