10月22日の第48回衆議院議員総選挙で自民党が圧勝した翌日、安倍晋三首相は同党本部での記者会見で満面の笑みを浮かべ、次のように語った。
「衆院選で自民党が3回連続で過半数の議席を得たのはほぼ半世紀ぶり。同じ総裁の下で3回続けて勝利したのは立党以来、初めてだ」
安倍首相が誇らしげに語ったのも無理はない。それは、自民党の戦後史をひもとけば理解できる。
吉田茂首相(当時・民主自由党総裁)は、1949年1月の第24回衆院選と52年10月の第25回衆院選(当時・自由党総裁)で、連続過半数を獲得している。
55年11月、当時の自由党(緒方竹虎総裁)と日本民主党(鳩山一郎総裁)が合同し、自由民主党(自民党)が誕生した。いわゆる「保守合同」である。この「55年体制」発足後、池田勇人首相(自民党総裁)と佐藤栄作首相(同)の二人だけが、在任中の衆院選で連続過半数を制している。
最近の例を挙げると、長期政権として知られる中曽根康弘、小泉純一郎両元首相は共に果たしていない。86年6月の中曽根首相(総裁)の「死んだふり解散」と05年8月の小泉首相(同)の「郵政解散」は自民党圧勝に終わったが、それでも中曽根、小泉両氏は連続過半数勝利の栄誉を手にしていないのだ。
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