『ポピュリズムとは何か』『人質の経済学』 『いつも笑顔でいられる 楽々、感情コントロール』

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ポピュリズムとは何か - 民主主義の敵か、改革の希望か (中公新書)
ポピュリズムとは何か - 民主主義の敵か、改革の希望か (中公新書)(中央公論新社/244ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
みずしま・じろう●千葉大学法政経学部教授。1967年東京都生まれ。東京大学教養学部卒業、東大大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。オランダのライデン大学客員研究員、甲南大学法学部助教授などを経る。専攻はオランダ政治史、欧州政治史、比較政治。

分厚い知見に照らし分析してみせた良書

評者 北海道大学大学院教授 遠藤 乾

橋下徹氏からトランプ氏まで、21世紀は「ポピュリズムの世紀」となった。2017年も欧州で国政選挙が続き、その勢力の伸長は確実視されている。

本書は、もはや一過性の現象とはいえぬこのテーマをいま読み解くのに最適である。

政治史・比較政治を専門とする著者は、南北アメリカから欧州の大小国にいたるまでの、広角かつ分厚い学術的蓄積を惜しげもなく本書につぎこむ。

「エリートと人民の対比を軸とする政治運動」と定義されるポピュリズムは、カリスマ的指導者が、批判対象のエリートを飛び越え、ネットや国民投票を介して人民の不満を直接くみとる現象だ。イデオロギーは希薄で、反ユダヤ主義などの伝統的な極右とは一線を画する。既存政党が大衆と乖離し、格差が広がる中で、反グローバル化や移民排斥などを旗印に伸長した。

本書の主たるテーゼは、リベラル・デモクラシー(の先進国)なのに、ではなく、それゆえに、ポピュリズムが興隆するのだということにある。

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