『N女の研究』を書いた中村安希氏に聞く NPOで働くことを仕事として考える

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N女(NPOなど非営利セクターで働く高学歴女性)が問いかける働く女性のあり方とは。

N女の研究
N女の研究(フィルムアート社/296ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──「N女」は、まだ知られていない言葉ですね。

今までいなかったタイプ。有名企業でいい給料をもらって働いていた女性が、その待遇を蹴って雇用条件の劣るNPOなどソーシャルセクターに転職する。昔も高学歴の女性で市民運動をボランティアでしていた人はいたが、決定的に違うのはNPOで働くことを仕事として考えている点。だからけっこうリアリストで、自分たちの立ち位置、組織のあり方もビジネスライクにとらえる。この新しいタイプの人たちがNPOで育ち、受け入れるNPO側も状況が変わってきている感じがする。

──ご友人にN女転身者がいた?

身近なところでそういう人が出てきた。その友人はもともと仕事熱心な人で、米国西海岸のシリコンバレーに10年ほど住み、アドビの本社に勤め20代から1000万円近い給与があった。彼女の場合、3.11、つまり東日本大震災が転機になった。自分の母国で大災害が起きたのに、まったく離れた所で好き勝手に過ごしていていいのかとの思いがあったようだ。ITを駆使できるスキルをきちんと社会に還元できているのだろうかとの思いが強くなって、母国でスキルを社会貢献に生かしたいと、会社を辞めて帰国。東北の非営利組織で能力を発揮することにした。

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