日本会議でも存在感示す神社界の思惑とは 『神社と政治』の著者、小林正弥氏に聞く

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世俗とは一線を画すと思われている神社が「改憲署名」の活動をし、日本会議では中心的役割を担っているという。なぜか。

神社と政治 (角川新書)
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──神社は個人の信仰や習俗にかかわるだけではないのですね。

最近は伝統的な信仰が衰退している反面、スピリチュアリティや精神性に関心がある若い人も増えている。パワースポットの観点で神社を参拝するという人も増えてきた。そういう新しい関心にも応えることは大事だろう。多くの人たちは戦後の神社しか知らないが、原始神道の時代から今日まで多様な側面を持ってきたし、時代の変化の中で適応し、生成・発展しているのだ。

もちろん戦前の国家神道と今の姿は違う。キリスト教では「世界は神が創造する」とされるが、日本や東洋の思想では生成的な発展という考え方がなされ、それを可能にするのが普通の言葉で温故知新、神社界でいえば『古事記』にある言葉の稽古照今だ。

神社界は公共的機能の回復を念願してきた

──稽古照今?

神社にはもともと宗教性がある。個人としての祈りだけではなく、国家や人々のために祈るという機能が神社神道にはある。それが天皇制のような大きな問題につながっていく。その公共性をしっかり見てほしいと神社界は念願している。単に個人の信仰になってしまうのではなく、公共的な機能を回復したい気持ちが神社界にはある。

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