今年3月5日号の拙稿で、長期政権を目指す安倍晋三首相の視線の先には、元号が明治となった1868年を起点とする2018年10月の「明治150年」という節目があると指摘した。そして、政府主催の式典を執り行うことが予想されると書いた。
安倍首相は、ルーツである長州が主導した明治維新に強い誇りを持つ。それだけに式典は「光」だけに焦点を合わせた礼賛一辺倒となりうると懸念も示した。
この8月に行われた政権人事を見れば、明治150年を視野に入れた長期政権を目指していることがはっきりわかる。自民党幹事長に、かねて「自民党総裁任期延長」を唱えていた二階俊博・前総務会長を据えたからだ。
この人事からは、18年10月の明治150年を迎えるうえでネックとなる「18年9月末」という総裁任期を延長しようという意図が透けて見える。仮に1年でも総裁任期を延長できれば明治150年を首相として迎えることが可能になる。つまり安倍首相は、明治150年の政府式典を主催する権利をほぼ手中にしていると言っても過言ではない状態にあるのだ。
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