脳の性質を理解すれば、度忘れや不注意、勘違い、さらには誤判断も予防できるという。
脳のメカニズム自体が ミスを起こしやすい
──私自身、「おっと、忘れた」など、日常茶飯事ですが。
仕事のミスは、記憶力や注意力、コミュニケーション力、あるいは判断力が低いから起こるのではない。中堅やベテランになれば自然とミスが減るわけでもない。実はわれわれの脳自体がミスを起こしやすいメカニズムになっている。それは、「忘れた」というミスに限らず、そのほかのミスも脳の「記憶」にほとんどの第一原因がある。
──記憶が原因ですか。
脳は今のわれわれの生活に完全には適応していない。動物だったときの記憶に適したままで、今のようなたくさんの情報を処理するように作られてはいない。ミスは脳の持っているメカニズムからして十分起こりうる。記憶のメモ帳であるワーキングメモリが端的な例だ。基本的にそんなに容量は大きくない。ただ、そこで瞬間的に覚えることはでき、覚えたという実感もある。だが、容量が小さいので、続いてほかのところに注意が行くとすぐに忘れる。そういう性格がメモリにある。
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