パナマ文書も生前退位も追及不足の日本新聞界 『『ル・モンド』から世界を読む』著者に聞く

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世界の5大クオリティペーパーの一つとされる仏ル・モンド紙を愛読してきた著者が、2003年1月から今年3月まで藤原書店のPR誌で連載してきたコラム160本超を1冊にまとめた。

『ル・モンド』から世界を読む 2001-2016
『ル・モンド』から世界を読む 2001-2016(藤原書店/392ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──フランスの顔ともいえる中道左派の日刊紙ですね。

発行部数は決して多くありません。前日の発行部数が毎号載るのですが、1970年代末の50万部をピークに最近は20万部台半ば。読者数は紙版が230万人、デジタル版は1575万人とのことです。

ル・モンドの質の高さは情報の詳細さ、分析の深さ、そして論点の明確さにあると認識しています。世界中の政治家や財界人、有識者がそれを指標とし、判断を下す一助にする。社長から記者までサラリーマンの日本の新聞と違って、すべて署名記事で一人ひとりが責任を持って書いており、記者のメールアドレスも付されているので、読者が直接記者に意見をぶつけることもできる。

日本の新聞にはない徹底的なリアルの追求

──一方、日本の新聞に対してはかなり辛辣ですね。

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