景気改善にも無反応、消費はなぜ伸び悩む? 離陸する前に低価格競争へ逆戻りの懸念も
「個人消費は底堅い」と政府は言うが、小売業の業況はさらに厳しさを増す。背景にあるのは消費行動の変化だ。
[ポイント1]
政府、日銀は国内消費について強気の見方を崩していない。だが、流通、外食産業は低価格業態ばかりが好調で、業績の見通しは暗い
[ポイント2]
雇用・所得環境が改善しているのに、なぜ消費の増加につながらないのか。これまで人口動態と将来不安が原因と指摘されてきたが、それだけではない
[ポイント3]
低金利や優遇税制により、住宅需要の先食いや住宅ローンを背負う世帯の増加が生じた。社会進出が進み多忙化した女性の消費行動の変化も背景にある
今年後半、流通・外食業大手の決算発表会で目立ったのは、経営者たちの次のような弱気発言の数々だった。
「上期(2016年3~8月)は子育て世代を中心に客離れがあった。消費動向は厳しく、下期(同9月~17年2月)も改善しない」(スーパー大手・イオンリテールの岡崎双一社長)
「国内消費はよくない。お客さんが余計な商品を買わなくなってきている」(衣料品大手・しまむらの野中正人社長)
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