石坂産業 石坂典子社長 産廃工場を体験施設に、2代目女社長の心意気
父から継いだ産廃会社。地域の嫌われ施設を観光・体験施設に変え、リサイクル率でもトップを走る。業界の古い体質を変えるイノベーターだ。
[ポイント1]
「産廃銀座」と呼ばれた所沢周辺に風評被害を起こした1999年のダイオキシン汚染報道。誤報と判明した後も、業者は住民の熾烈な反対運動に直面した
[ポイント2]
最大手の石坂産業も売り上げの7割を占める焼却炉事業から撤退。が、石原には、嫌われ施設でも「世の中に不可欠なすばらしい仕事」という自負があった
[ポイント3]
価格だけで選別される業界の変革が必要とISO対策に本腰。排出者責任を問う社会の変化もあり、経常利益率10%を超える業界のモデル企業となった
雑木林の中をよく踏み固められた小道が延びる。コナラ、クヌギ、ガマズミ……。植物の名前を記した小さなプレートがくくりつけられている。しばらく歩くと広場に出る。広場の周りを家族連れを乗せた電動ミニSLが走る。今年夏の土曜日。イベントでもらったらしいカブトムシが入った虫かごを持って子どもたちが順番を待っていた。
ここは埼玉県三芳町(みよしまち)、石坂産業という会社の一角にある里山エコパーク「三富今昔村(さんとめこんじゃくむら)」だ。入村料500円で一般開放され、村内にある農園で収穫された野菜が食べられるレストラン・カフェもある。
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