第2次安倍晋三政権の誕生以来、私は民主政治の劣化を「アベ化」と呼んできた。
それは次のような現象である。
1 極めて自己愛の強い幼児的人物が権力を握る。
2 自己愛の裏返しで、権力者は批判や忠告を聞き入れることができず、逆に批判する者を憎悪する。
3 さらに批判する者に対して、権力者はあらゆる手段を使って攻撃を加える。特に批判的なマスメディアとの関係でこのような行動をとる。
4 権力者は、うそがばれても恥じることがなくつねに自己正当化を図る。
5 権力者とそれを支持する勢力において、事実と虚偽の区別ができない反知性主義が蔓延する。
アベ化は世界に広がり、米国ではドナルド・トランプ大統領の誕生という事態となった。安倍首相の側近は、首相とトランプ氏は気が合うだろうと言ったが、自己愛が強く虚言癖があるという点で、同じ穴のムジナである。さらにトランプ氏の勝利には、近代以来の民主主義の歴史を逆転させる大きな衝撃がある。
この記事は有料会員限定です。
ログイン(会員の方はこちら)
有料会員登録
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら