一時の勢いは収まったとはいえ、衆議院の解散風は永田町をそよそよとだが、吹き渡り続けることになった。
10月23日投開票の衆院ダブル補欠選挙は、いずれも自民党系候補の完勝に終わった。その1週間前に行われた新潟県知事選の、与党側候補の敗北による悪影響を最小化した。
小池百合子東京都知事の転出に伴う衆院東京10区補選は、小池氏の支持を受けた自民党公認の若狭勝・前衆院議員が、鳩山邦夫元総務相の死去を受けた福岡6区補選は、公認問題がもつれて無所属として戦った邦男氏の二男の鳩山二郎・前福岡県大川市長が、それぞれ民進党候補らを破った。鳩山氏は当選確実が伝えられた直後、追加公認された。
東京10区では小池氏を支援した若狭氏を公認し、都知事選で対立した小池氏の人気を逆に利用した。また保守分裂となった福岡6区では、保守系候補のうち勝ったほうを追加公認するという、中選挙区制度時代の自民党のお家芸を駆使する融通無碍さを発揮した。こうして「負け」を回避する形で自民党は勝利を手にしたのである。
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