豊洲新市場で新疑惑、ゼネコン落札価格の怪 落札率99.7~99.9%も事前調整は否定
99%の落札率と400億円の増額。鹿島・清水・大成が分け合った工事の背景は。
小池百合子・東京都知事による築地市場からの移転延期を機に、土壌汚染対策の「盛り土」のない事実が発覚した豊洲新市場。安全面だけでなく、建設工事の入札でも、新たな“疑惑”が浮上している。
一般競争入札で行われた、豊洲市場の主要3棟の工事。2014年2月の再入札で受注したのは、大手ゼネコンを代表とする三つの共同企業体(JV)だった。13年11月の第1回入札が不調だったのを受け、再入札で参加したのは3JVのみだったのである。
しかも再入札の予定価格(落札の上限価格)は、第1回より約400億円も増えている(図表1)。結果的に落札率(予定価格に対する落札価格)は、約99%と極めて高い水準。施工業者を決める重要なプロセスで、入札過程における不自然な点が明らかになったのだ。
一つ間違えば“談合”ともいわれかねない案件。なぜそれぞれ1JVだったのか。なぜ金額が膨らんだのか。
そもそも第1回の入札は、青果棟や水産仲卸売場棟、水産卸売場棟の主要3棟において、計約628億円の予定価格で実施された。各棟の土壌汚染対策工事を担当した鹿島、清水建設、大成建設などの3JVが参加するはずだったが、結局辞退。入札は不調に終わった。
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