移転延期の築地市場、新Xデーは2月か5月か 中央魚類子会社のホウスイにとっては大打撃
豊洲新市場への移転は2月か5月か。関係業界は人手の調整で大わらわだ。
「一度決めたことだから、もう造ってしまったのだから、既定路線だから、何も考えなくてよいという考え方はとりません」
8月31日。東京都の小池百合子知事は、今年11月7日に予定されていた築地市場(中央区)の豊洲新市場(江東区)への移転延期を決めた理由について、そう述べた。
小池知事は、予定どおり移転する場合の問題点として、(1)豊洲新市場の安全性への懸念、(2)新市場移転にかかる巨額かつ不透明な費用の増加、(3)情報公開の不足、の三つを列挙。「都民ファースト」に基づき、都民の利益を第一に考えた結果であることを、ことさら強調した。
設備投資が重荷に
日本一の魚河岸である東京・築地市場の開場は戦前の1935年にまでさかのぼる。もともとは鉄道貨車を利用することを前提とした造りのため、トラック輸送が主流の現代に合わなくなり、建物の老朽化も進んでいた。
そのため、88年から再整備に向けた準備が始まったが、工期遅れなど問題が発生。本格工事が始まる前の整備費だけで400億円を費やした揚げ句、いったん中止に追い込まれた。その後、築地市場の再整備を断念し、移転先を豊洲地区に決定。土壌汚染対策を施したうえで、2016年11月に移転することは約2年前に決まっていた(年表)。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら