MRJの慎重すぎる開発姿勢に問題はないのか 8月中旬に渡米を2度延期、受注の不安材料に
8月下旬に渡米を2度延期。その“慎重姿勢”は受注活動の不安材料に。

9月中旬、「MRJ」(三菱リージョナルジェット)試験初号機が曇り空の中、愛知県営名古屋空港を飛び立ち飛行試験に向かった。本来なら米国にあるはずの同機が国内で試験を続けているのは、移送飛行中のトラブルで引き返していたからだ。
初号機が米国に向けて名古屋空港を飛び立ったのは8月27日正午前。アラスカを通過するルートで、米国の開発拠点となる、ワシントン州モーゼスレイクのグラントカウンティ国際空港を目指していた。が、離陸後まもなくして空調監視システムが故障しているとの警告が出たため、約1時間で引き返した。
空調自体は正常に作動していたので、監視システムのコンピュータを入れ替え、翌28日に再度移送を試みた。しかし、前日と同様の警告が出たことから、函館付近でまたもやUターン。不具合の原因を究明し万全の対策を講じるまで米国移送は延期された。
身内から「慎重すぎる」
MRJの開発は、三菱重工業が傘下の三菱航空機を通じ進めているが、文字どおり“産みの苦しみ”を味わっている。開発日程はこれまで4回延期(図表1)。初飛行は当初計画の2011年から15年11月に、納入開始も13年から18年半ばへ遅れた。
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