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三菱重工 困難と焦燥 本当は三菱自を見切りたい

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「今回の燃費データ不正によって計画は白紙に戻らざるをえない」。こう語るのは三菱グループの有力企業の幹部だ。

計画とは、三菱自動車が2016年度中に三菱重工業の保有する三菱自動車株を買い取ることだ。燃費不正が明らかになる前、三菱重工が保有する三菱自動車株を手放し、三菱自動車が購入する計画が三菱グループ内で検討されていた。ところが燃費不正が発覚し、現在は検討がストップしている状態だという。

三菱自動車株式の2割を持つ筆頭株主として、支援に責任

なぜ三菱重工は三菱自動車株の売却を模索したのか。それは自動車株の売却でキャッシュを得たい三菱重工の事情があったからだ。ここに重工の「苦境」が象徴されている。

三菱自動車は04年に二度目のリコール隠しが発覚し経営危機に直面した際、三菱重工、三菱商事、三菱東京UFJ銀行のグループ「御三家」を中心に優先株を引き受けてもらい経営破綻を免れた。その際には、当時、重工の会長だった西岡喬氏が兼任で自動車の会長に就いた(現在は退任)。

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