数年後、ソフトバンクグループ(以下ソフトバンク)にとって2016年6月は、「あのときがまさに転機だった」といわれるタイミングになるかもしれない。一連の株式売却とニケシュ・アローラ氏の退任によって、ソフトバンクの経営体制は大きく変貌するからだ。
ソフトバンクに新風を吹き込んだ 若手・古株が次々と姿を消した──
新顔も古株も、グループを去る
一連の株売却によってグループを去るのは、スーパーセルのイルッカ・パーナネンCEO。同社はスマホゲーム界のトップを走る有名企業だ。13年10月、「長期で支えてくれるソフトバンクと組むことで、より事業に専念できる」(パーナネン氏)とグループ入りを決めた。
孫社長とパーナネン氏は主に長期戦略について議論を交わしてきた。昨年、本誌の取材にパーナネン氏は、「孫社長とはアイデア出しもやるし、グローバルの戦略拡大についても話す」と語っていた。にもかかわらず、スーパーセルは3年足らずでソフトバンクの元を去った。
『パズル&ドラゴンズ』でおなじみのガンホー・オンライン・エンターテイメントも、今年8月以降、持ち分法適用会社から外れる。森下一喜CEO率いる同社は、孫社長とその実弟で会長を務めていた泰蔵氏との間の資金の貸し借りを理由に、一時期、子会社となっていた。「ソフトバンクは経営に口出ししなかった」(ガンホー幹部)と言うが、ソフトバンクにとっては連結業績を大きく押し上げる存在だった。そんな2社のCEOが姿を消す。
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