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不祥事の収拾の仕方を三菱自動車から見る 日本の企業文化は変わっているのか(1)

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試験データの不正問題が発覚した三菱自動車。同社の相川哲郎社長は謝罪会見で「意図的な不正」を認めたが、これは極めてまれだ(撮影:尾形文繁)

普段は団結を誇っている日本の官庁や企業も、不祥事が発生したときに一丸となって組織を守るという意識が低くなっている。これを組織に対する忠誠心が希薄になったと嘆くか、いよいよ日本にも国際基準のコンプライアンス(法令順守)意識が浸透して、日本企業の不祥事隠蔽体質が克服されて歓迎すべきと見るかについては、それぞれの人の立場と趣味で評価が分かれるであろう。しかし、大きな企業不祥事が起きると、その責任を人事で取らなくてはならないので、そこから必ず権力闘争が起きる。こういうときに、普段は人格者のように見えている人でも、平気で人の悪口を言うようになる。当然、組織の秘密を外部に漏洩するような人も出てくる。筆者はそのような例を、2001年4月から翌年3月まで田中眞紀子氏が外相を務めていたときに実体験した。田中氏と鈴木宗男氏のいさかいの渦中に巻き込まれ、筆者も東京地方検察庁特別捜査部に逮捕、起訴され、東京拘置所の独房に512日間勾留されるという得がたい体験をした。こういう事案を経験すると、性悪説で人間をとらえることが正しいと心底思えてくる。

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