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ゲラの流出・漏洩は出版界の信頼損ねる 国会論戦から見る情報管理の現状

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衆議院TPP特別委員会で西川公也委員長(右)の元に集まる与野党の理事。西川氏の本のゲラを基に野党議員が質問し議論は紛糾した(時事)

情報漏洩と権力闘争に関して最近、興味深い事案があった。4月8日の衆議院特別委員会におけるやり取りだ。

〈環太平洋経済連携協定(TPP)に関する8日の衆院特別委員会で、政府が「守秘義務がある」として交渉経過などの記録の公開を拒む中、自民党の西川公也委員長が執筆した本に交渉の内幕が書かれていることがわかり、野党が反発。審議が中断した。交渉経過をどこまで明らかにできるのかが、今後の当面の審議の焦点になりそうだ。/民進党の緒方林太郎氏は8日の特別委で、西川氏が出版予定の「TPPの真実」のゲラ刷りを手に、政府が交渉経緯を開示しないのに、西川氏の本には載っていることを指摘した。/朝日新聞が入手したゲラ刷りによると、「オバマ大統領来日の1カ月前からアメリカは従来の原則論から譲歩すると水面下で打診してきた」などと相手国の具体的な動きを描写。さらに「私は閣僚ではなかったが最後の交渉上の切り札を持っていた」と誇示し、「保秘義務があるため、紙に残すことで万が一の情報流出を恐れた」と生々しく振り返った場面もあった。/一方、政府は5日、民進に「交渉経緯メモ」を示したが、日付と表題以外はすべて黒塗り。政府は、他の当事国との「秘密保持契約」で、4年間は交渉経緯を明かさないことになっていると説明したが、民進党側は「これでは議論ができない」と反発していた。〉(4月9日、朝日新聞朝刊)

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