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実業家・社会起業家 久能祐子 新薬開発で資産400億円 日米で最も成功した女性

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パートナーとともに、米国で創薬ベンチャーを率いて大成功。今は社会貢献の日々だ。科学好きで内向的だった少女が、世界のリーダーを育成する。

後に夫になる上野隆司博士の発見を創薬へとつなげた。日本と米国で2つの新薬を開発した。帰国した際に、滞在中のホテルで撮影(撮影:尾形文繁)

今秋の米大統領選挙の本命候補といわれる民主党のヒラリー・クリントン前国務長官のパーティが2014年2月、ホワイトハウスの北西約2キロメートルの「エバーメイ」と呼ばれる歴史的建造物で開かれ、大勢の関係者と支持者が集まった。会場を提供したのは邸宅の持ち主の日本人起業家夫妻で、機能性脂肪酸「プロストン」を発見した医学博士の上野隆司と、それを新薬につなげた工学博士の久能祐子(くのう・さちこ)だ。

ヒラリーの親友の一人でジョージタウン大学の女性・平和・安全保障研究所所長のメラニー・バービア教授(元大統領補佐官)を介して、久能はヒラリーと交流を持った。

「天才的だったビル・クリントン元大統領と違って、ヒラリーさんは演説も理詰めで、選挙はアウェーで戦っている感じ。チームをつくって成功に導くプロジェクト型で、パブリックな部分では鉄の意志。当選すればいい大統領になると思います」

久能は笑いながら評した。

5年前、久能と上野はワシントンで一躍、知られる存在となった。1801年建造の「エバーメイ」(敷地約1万5000平方メートル)と1787年築の「ハルシオンハウス」(総床面積約3000平方メートル)の二つの国家歴史登録財を計3300万㌦(当時の換算で約26億4000万円)で購入してニュースになったからだ。

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