多摩川精機副会長 萩本範文(はぎもと・のりふみ) 地方企業のすごい技術力 「次は航空機部品で勝負」
長野県飯田市、木曽山脈と南アルプスに挟まれた盆地に市街が広がる。その山裾、5万坪の敷地に古い木造校舎のような社屋が並ぶ。精密機器メーカー、多摩川精機の本社と第1事業所である。太平洋戦争末期に建てられた社屋を改修して使い続けている。
「戦中は軍需工場で戦闘機の計器類などを製造していましたが、敗戦で衰退した。2000人の従業員が戦後は24人まで減った。そこから盛り返した先人の苦労を思えば、少々のことでヘコタレられんでしょう」と、経営の采配を振る萩本範文(71)は笑みを浮かべる。
多摩川精機は、戦前から続くセンサーとモーターの技術を柱に、今も最先端の製品を提供している。たとえばトヨタ自動車の「プリウス」の電動モーターを高精度で制御する「角度センサー」。エンジンとモーターの回転を調和させる重要な部品なのだが、その供給をほぼ一手に担ってきた。トヨタの厳しい品質管理に応え、高温、高振動の過酷な環境に耐えられる製品を生み出した。この開発は「ものづくり日本大賞」(経済産業省)を受賞している。
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