斜陽の王国 サムスン 中国下請けが「夜逃げ」 成長モデルがきしみ始めた!
スマートフォンの最大市場で、王者にまさかの大異変が起きている。現地からの最新報告。
ホコリっぽい中国の工業地帯で、その工場はひときわくすんで見えた。
広東省東莞市厚街の東莞普光液晶顕示。液晶パネルのバックライトモジュールを生産する韓国資本の企業で、韓国サムスン電子のスマートフォン向けに製品を出荷してきた。最盛期は3000人が働いていたというが、記者が訪れた8月中旬には出入りする人はまれ。無理もない。この工場では、韓国人トップが姿を消し操業が停止する「夜逃げ騒動」が起きたばかりなのだ。
1時間ほど待っていると、若い男性従業員がようやく姿を現した。
「6月中旬に会社から『7月は無給休暇だ。8月には仕事があるから戻るように』と指示された。ところが戻っても仕事はなかった。工場はこれから閉鎖になると聞いたが、正式な説明はまだだ」
男性は次の仕事が見つからず、敷地内の宿舎で心もとない日々を過ごしているとぼやく。
サムスンからの発注がなくなった
入り口の守衛所では、包装材の納入業者という男性が居座っていた。
「韓国人トップは7月に中国を出国して連絡がつかなくなったらしい。最近になって戻ったと聞いたからここで毎日待っているが、まだ会えていない。数カ月前に『サムスンからの発注がなくなった』とは聞かされていたが、まさかこんな事態になるとは」
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待