のばやし・たけし●東洋学園大学教授、一橋大学名誉教授。専門は国際政治経済学。1945年生まれ。一橋大学大学院単位取得退学。著書に『保護貿易の政治力学』など。なや・まさつぐ上智大学教授、一橋大学名誉教授。専門は国際政治・安全保障論。1946年生まれ。上智大学大学院単位取得退学。著書に『国際紛争と予防外交』など。
難民問題の研究に不可欠な歴史的資料
評者 東洋英和女学院大学教授 中岡 望
評者は45年前の1970年に国際基督教大学で緒方貞子氏の「国際政治学入門」の講義を履修している。授業の内容は思い出せないが、提出したリポートに高い評価をいただき、「この問題意識を継続してください」という主旨の短いコメントをいただいた。評者の専攻は経済学で、その後、緒方氏の授業を取ることはなかったが、このコメントは今でも鮮明に覚えているし、当時の問題意識は今も持ち続けている。本書を読んで、同氏は優れた教育者だけではなく、第一級の学者であり、行政者であることをあらためて知った。緒方氏は現在、国際的に知名度が高く、尊敬されている数少ない日本人の一人である。
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