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「断捨離」時代のロールモデル メディアを席巻する小泉今日子
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今から20年近く前、1997年のことである。読売新聞の鵜飼哲夫(現文化部編集委員)は一冊の本を手にしていた。人気アイドルが雑誌に連載していたエッセイ集、『パンダのanan』。ページをめくってみると驚きの連続だった。リズムのよい文章。行間から漂う「知性」や「才気」。たばこを吹かすスナップ写真があっても、作り物の感じがしない。普通のタレント本とは相いれない出来だった。
その6年後、テレビドラマの取材現場にエッセイ集の著者はいた。言葉は決して多くないが、マネジャーの顔を見ることもなく、自分自身の言葉を搾り出そうとしているのが印象的だった。アイドルから女優へ転身した小泉今日子である。
学者や作家が独占する新聞の読書面に新風を吹き込みたい。本来は老若男女、さまざまな読者が読むページが読書面である。わかりやすく自分の言葉で本を語ってくれる人を起用したかった。もちろん、頭の中にはめったに見つけられないような候補者がいたのだ。
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