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中国経済、本当に大丈夫か!? 肯定派と懐疑派が緊急対談
株式バブル崩壊や実体経済の変調をどう読み解いたらよいのか。中国経済について対照的な見解を持つ識者が激論を交わした。
──急落した上海総合指数ですが、適正水準をどう見ますか。
瀬口 最近の企業業績は若干悪くなり、マクロ経済情勢もほぼ横ばいで推移している。本来、株価が上昇する材料はなく、暴騰前の2000~2500ポイントの水準に戻るのが自然だ。ただ政府の介入があるので、実際にそこまで下がるかはわからない。

せぐち・きよゆき●1982年東京大学経済学部卒業後、日本銀行入行。2006年北京事務所長、08年国際局企画役などを経て、09年4月から現職(撮影:今井康一)
柯 中国国内で最も厳しく見積もっている研究者によれば1000ポイントだが、極論すぎる。米イェール大学の研究グループは2000~25000ポイントと推計している。長年中国経済を見ているわれわれの感覚からしても、それくらいが妥当かと思う。

か・りゅう●1963年中国南京市生まれ。94年名古屋大学大学院経済学修士取得後、長銀総合研究所入所。98年に富士通総研経済研究所に入所(撮影:今井康一)
──今回の株式バブルの原因は?
瀬口 私は「子どものサッカー」と言っている。何かの拍子に株がちょっと上がり始めたので、金融緩和と不動産融資規制で行き場を失ったおカネがそこへ向かった。するとさらに上がっていったので、みんなで株に行ってしまった。中国の株式市場は、きちんとした分析に基づいて価格を予想するような財務データも整備されていないし、そうした分析能力を持つ市場参加者も少ない。
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