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中国バブル急膨張の黒子 政府の“想定外"招いた信用取引

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7月13日の朝8時30分。浙江省杭州にあるIT企業を、中国の証券監督当局である中国証券監督管理委員会(CSRC)の調査官が突然訪れた。現地紙の中国証券報は、調査官は同社の幹部を別々の会議室に入れ「面談」したと報じている。

調査対象の会社は恒生電子。上海証券取引所に上場する証券業向けシステム開発の大手である。投資家の間では同社が開発したHOMSという場外取引システムを株価暴落の元凶と見なす人が少なくない。CSRCの調査はその「ガス抜き」を狙った国策捜査と見ることができる。

中国メディアは色めき立った。恒生電子には電子商取引大手アリババの創業者、馬雲(ジャック・マー)氏が出資していたためだ。欧州出張中の馬氏は同日、「私が中国の株式市場を壊したといわれていることに驚いている」と述べ、世間の注目をかわした。

上海総合株価指数は6月12日に7年ぶり高値の5166ポイントをつけた後、翌13日を転換点に垂直落下する。このプロセスにHOMSが深くかかわっていたというのだ。

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