中ロ両国が定期的に続けている海軍共同演習が、今年は地中海で行われた。国際社会で孤立するロシアに中国が塩を送る形だが、その見返りは。

共同演習でのロシアの姿勢は大きく変化した。写真は昨年の「海上連合2014」終了時の記者会見。(ロイター/アフロ)
中国海軍が、欧州でのプレゼンスを高めようとしている。中国およびロシアは、5月11日から地中海において、「海上連合2015(1)」という名称の海軍共同演習を開始した。この演習は2012年から続いているが、名称に(1)がついたのは初めてだ。ロシア側は、今年8月に日本海で(2)が実施されるとしている。
この共同演習には、中ロ双方から計9隻の艦艇が派出された。中国海軍は、4月までアデン湾ソマリア沖で海賊対処活動に当たっていた、054A型フリゲート2隻および補給艦1隻の計3隻を参加させている。
中国は、ソマリア沖海賊対処活動に派遣する艦隊に、欧州、中東諸国などに対する親善訪問を行わせている。海軍による外交だ。海軍艦艇は「国際協力」、「人道支援」、「親善訪問」および「共同演習」などの名称をつけた活動を実施することによって、種々のプレゼンスを示すことができる。そして今回は、軍事力を誇示することにもなる共同演習だ。
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら