国際情勢を分析する場合に、分析者は所属する地理、文化、伝統によるバイアス(先入観、偏見)から、どうしても逃れられなくなる。本連載が想定する、がっついた若手ビジネスパーソンもその例外でないと思う。しかし、国際社会での熾烈な競争の中で生き残っていくためには正確な情勢判断が必要だ。この観点から、1月3日にサウジアラビアがイランとの外交関係断絶を発表した後の緊迫した中東情勢と、6日の北朝鮮による核実験(北朝鮮は水爆実験と自称)を比較してみたい。
インテリジェンスの専門家にとって、中東危機のほうが北朝鮮の自称・水爆実験よりも国際情勢に与える影響が大きいことは自明だ。それにもかかわらず、日本のメディアの報道だと北朝鮮の核実験が実態よりはるかに大きく見えてしまうため、大多数の日本人ビジネスパーソンが国際情勢の構造変化を見誤る危険があると筆者は懸念している。
1月初旬、筆者は某情報大国の元インテリジェンス機関幹部と意見交換をした。そのとき、先方が述べた内容をメモにしたので紹介する。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら