中国で、市場主義的な経済改革のプログラムが続々と打ち出されている。同時に、改革派とされる要人から踏み込んだ発言が相次いだが、その背景は。
中国国務院の発展改革委員会は5月上旬、「経済体制改革を深化させる重要な仕事に関する意見の通知」(以下「通知」)という文書を発表した。一昨年の共産党第18期三中全会で採択されたコミュニケにおける、市場主義的な経済改革の方針を踏襲したものと見てよい。
今回の「通知」では、企業投資などに関する行政の許認可手続きを簡素化するとともに、政府予算の管理をより透明で外部に開かれたものにする方針が再度確認された。このほか「通知」では、PPP(公共部門と民間部門が行う連携事業)方式を通じた地方インフラ建設投資、上海自由貿易試験区を中心とした金融市場の対外開放を一層進めること、および金利の自由化、国有企業改革の本格化と産業の高度化、などの方針が盛り込まれた。
このうち産業の高度化については、同じく国務院によって今後10年間の中国製造業の高度化を目指す指針「中国製造2025」も発表されている。要は、習近平政権下でその実施の必要性が繰り返し述べられてきた、市場メカニズムを重視した改革プログラムのオンパレードだ。
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