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李克強首相が官僚大批判 中国を動かすのは課長?

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官僚主義に政治家が不満を漏らすのは万国共通。一党独裁の中国でも事情は同じだ。李首相が、部下である官僚たちへの怒りをあらわにした理由は。

李首相にとって行政手続き簡素化は看板政策の1つ。写真は今年3月、習近平主席と話す李首相(右)(ロイター/アフロ)

李克強首相と官僚組織とのバトルが続いている。きっかけは4月15日の国務院(内閣に相当)常務委員会議。この席上で李首相が、「部長(大臣)の会議で採択した政策に処長(日本の中央官庁でいえば課長に当たる)が待ったをかけるのは、順序がまったく逆ではないか」と発言したのだ。

一党独裁の中国では、上意下達が徹底されていると思う人が日本には多いかもしれない。だが、処長クラスの中堅官僚でも絶大な権限を持っており、上からの統制は容易でない、というのが中国人の実感だ。

かつて「史上最強の処長」と呼ばれた男がいた。副省長クラス(中央官庁なら次官級)の高官が彼のところにやってきたときでも、遊んでいたゲームが終わるまで外で待たせていた。さらに別の副省長が、彼に大声でしかりつけられペコペコしていた、などという話もある。

この男は匡新元といい、国家発展改革委員会で民間航空を所管する部署の処長だった。高官たちがこの処長に平身低頭していたのは、各地の空港建設計画や航空会社の機体購入はすべて彼の許可を得なければならなかったためである。彼は2009年に汚職で摘発され、最終的には10年の実刑判決を受けた。

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