ハンス・フーガーホースト IASB(国際会計基準審議会)議長
IFRSをつかさどるロンドンの国際会計基準審議会(IASB)のハンス・フーガーホースト議長に、減損の戻し入れ、のれん償却の再検討の状況、営業利益の開示が各社バラバラで同業他社比較が困難であること、JMIS(修正国際基準)についての考えをじっくりと聞いた。
──日米の会計基準は、いったん減損した資産の戻入益計上を認めていません。一方でIFRSは認めています。どちらが正しいのでしょうか。
戻入益が資産の取得原価を上回らないかぎり、戻入益が損益計算書やバランスシートに計上されるのは、まったくもって理にかなったことです。損失があれば減損を計上し、戻し入れがあればそれを計上することは、均整の取れた処理だと考えます。
のれん償却にも非償却にも一理ある
──フーガーホースト議長はのれんの定期償却に理解を示している、と日本で報道されています。のれんの定期償却について、ロンドンでは、どの程度議論が行われていますか。
概念上の議論が交わされています。定期償却すべきという議論の概念的根拠は、「取得したのれん(買い入れのれん)」は消耗性資産であり、時間が経つにつれ「自己創設のれん(会社自身が生み出した超過収益力)」に置き換えられていく、というものです。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら