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のれん償却は何年がいいのかが難しい キーパーソンインタビュー(2)

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ハンス・フーガーホースト IASB(国際会計基準審議会)議長

IFRSをつかさどるロンドンの国際会計基準審議会(IASB)のハンス・フーガーホースト議長に、減損の戻し入れ、のれん償却の再検討の状況、営業利益の開示が各社バラバラで同業他社比較が困難であること、JMIS(修正国際基準)についての考えをじっくりと聞いた。

Hans Hoogervorst●1981年、オランダ・アムステルダム大学で近代史の修士号を取得。98~2007年、財務相など、オランダ政府の要職を歴任。11年7月、国際財務報告基準(IFRS)財団傘下の国際会計基準審議会(IASB)議長に就任。任期は16年6月までの5年間。(Copyright Alex Griffths)

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──日米の会計基準は、いったん減損した資産の戻入益計上を認めていません。一方でIFRSは認めています。どちらが正しいのでしょうか。

戻入益が資産の取得原価を上回らないかぎり、戻入益が損益計算書やバランスシートに計上されるのは、まったくもって理にかなったことです。損失があれば減損を計上し、戻し入れがあればそれを計上することは、均整の取れた処理だと考えます。

のれん償却にも非償却にも一理ある

──フーガーホースト議長はのれんの定期償却に理解を示している、と日本で報道されています。のれんの定期償却について、ロンドンでは、どの程度議論が行われていますか。

概念上の議論が交わされています。定期償却すべきという議論の概念的根拠は、「取得したのれん(買い入れのれん)」は消耗性資産であり、時間が経つにつれ「自己創設のれん(会社自身が生み出した超過収益力)」に置き換えられていく、というものです。

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