やりがいと家庭生活との折り合いをどうつけるか。女性医師は常にその葛藤の中にいる。
近年、日本の医師全体に占める女性医師の割合が増えている。長い間全体の医師数に対して10%以下だったが、2004年に15%を超え、10年には18.5%となった。14年度の医師国家試験においては合格者の31.8%が女性であり、今後は10人の医師のうち3人は女性になることが予測できる。
諸外国を見ると、米国ではすでに4人に1人、西欧諸国では3人に1人が女性医師であることから、この傾向は世界的にも特別なものではない。ただ固有の問題も指摘されている。それは、女性医師ばかり増やしても、医師の不足や偏在は解消されないという意見である。
はたしてそうなのか? また、そうであれば何が原因なのか? ここではデータを含めて、女性医師の生き方について掘り下げていきたい。
女性医師についてはその働き方にいくつかの特徴がある。まずは診療科別の女性医師の割合からその傾向を見ていこう。
女性医師が多い科目、少ない科目は図表1のとおりだ。科目選択の傾向としては、1.勤務がそれほどハードではなく、比較的オン・オフがしっかりしている科目(皮膚科、眼科、麻酔科など)、2.女性患者が多い科目(産科、婦人科、小児科など)、3.より身近でコミュニケーションが必要な科目(内科、総合診療科、在宅診療など)の三つに大別される。
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