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新設医学部が対峙する東北の「医師不足」 被災地医療は変わるか

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医師の不足、偏在解消を目的に東北での医学部新設が認められた。だが、前途は多難だ。

休止中の市立病院が運営する開成仮診療所が被災地医療を担う(上)。来年夏の開院を目指し、工事が進む石巻市立病院。人材採用には苦戦も(下)

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桜色の外壁が目を引くJR石巻駅前。旧百貨店の空きビルを活用した石巻市役所の隣で、石巻市立病院の建設工事が来年夏の開院を目指して進んでいる。

東日本大震災では、石巻と気仙沼の医療圏内(宮城県石巻市、東松島市、女川町、気仙沼市、南三陸町)の多くの病院、診療所が被災。石巻駅の南約2キロメートル、海近くにあった旧市立病院も1階天井まで達する津波に襲われ、一昨年、取り壊された。2医療圏内で震災後に休廃止を届け出た医療施設は、病院4、医科診療所23、歯科診療所16(2014年9月時点)に上り、震災前より約14%も減少した。

2医療圏の医師数も、震災前の10年度に444人だったのが12年度までに428人と16人減少した。10万人当たり医師数は石巻圏が167人、気仙沼圏が119.7人と、全国平均の237.8人を大幅に下回る。もともとの医療過疎に震災が追い打ちをかけた格好だ。

医療過疎に震災 深刻さ増す医師不足

震災前の石巻市立病院は病床数206で、研修医を含め29人の医師が主に急性期医療を担っていた。来年夏からは、病床数を180に減らし、急性期以外に、回復期の医療や在宅医療・在宅支援の機能も備えた病院となる。

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