日本の医師はどんな環境に置かれているのか。データに基づく国際比較から見える給与や勤務の実態。
日本の医師を取り巻く環境が恵まれているか、そうでないかを判断することは難しい。働く時間の長さや責任の重さをどう評価するのか、絶対的な基準がないからだ。そこで、先進諸国の医師が置かれている環境と比較することにより、日本の医師の現状を明らかにしよう。
一般的に医師は高給というイメージがある。実際、医師(勤務医)の年間平均賃金は1154万円(2014年、厚生労働省)と、一般労働者の2.4倍に相当する。
だが、海外の医師と比較するとどうだろうか。多少古い資料になるが、医師の賃金が一般労働者平均の何倍に当たるかについて、OECD(経済協力開発機構)ヘルスワーキングペーパー(08年)が報告している。
これを04年の日本における賃金構造基本統計調査と比較したのが図表1だ。日本では一般医(総合医)と専門医に関して厳密な区別はないが、海外では両者は明確に分かれており、賃金にも大きな差が認められる。一般労働者と比べた一般医の賃金は、米国の3.4倍を筆頭に、日本よりも軒並み高い。専門医ではその傾向はより顕著であり、賃金の面では日本の医師の勤務環境は、先進諸外国と比べてよいとはいえない。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら