PART1 過熱化する医学部受験
一般家庭の志願者が増加
吸い寄せられる「理系秀才」
大学全入時代に医学部ばかりに人気が集中する。若者はなぜ医学部を目指すのか。
都内に住む佐川幸太さん(仮名、19)は今春、1年間の浪人生活を経て、第1志望の昭和大学医学部に見事合格した。毎日10時間以上の勉強を続けた末の栄冠だった。「結果が出て、とにかくほっとしています」(佐川さん)。
佐川さんの父親は大手メーカーの技術者。学費の高い私立の医学部に通えるか不安もあったが、父親はむしろ背中を押してくれたという。佐川さんは「小さいときにお世話になった先生のような小児科医になりたい」と夢を語る。
医者を目指す若者が増えている。国公立、私立を合わせた全国80大学の医学部の延べ志願者数は、2007年度の12.8万人から昨14年度は16.9万人まで増加。国公立は大学入試センター試験で事実上の足切りがあるため横ばいだが、私立大学は07年度比で約55%も志願者数を伸ばした(図表1)。
大勢が判明した今春の入試については、新学習指導要領(新課程)に対応した初めての入試だったこともあり、医学部の志願者数は若干減ったようだ。ただ「私立の一般入試の志願者は微増で、高水準であることには変わりない」(医学部受験の専門予備校=医系予備校、メルリックス学院の田尻友久学院長)。
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