医局の閉鎖性が大惨事を招いた。
群馬大学医学部附属病院(前橋市)の腹腔鏡による肝臓手術で、8人が相次いで死亡した。群馬大病院は今月、最終報告書を公表し、8例すべてに過失があったことを認めた。さらに開腹の肝臓手術においても10例の死亡があることが判明し、別の調査委員会が検証中である。
過失があった腹腔鏡手術は、2010年12月~14年6月に実施された。いずれも第二外科の40代男性医師(助教)が執刀した。
腹腔鏡手術は、お腹にいくつかの穴を開けてカメラ(内視鏡)を挿入して行う。お腹を切り開く開腹手術と異なり、手術創が小さく術後の回復が早いというメリットがある。
一方で、技術的な難度は高い。今回実施された手術は、治療方法が確立されているとは言いがたい。「特に8例のうちの一つである肝門部胆管がんの切除は、非常に難度が高い。この症例への腹腔鏡手術の適用はチャレンジすべき領域を超えており、慎重になるべきだった」(日本外科学会理事長の國土典宏・東京大学大学院肝胆膵外科学教授)。
日本外科学会によれば、全国で11~13年に実施された肝切除術のうち、保険適用外の腹腔鏡手術の割合は5.1%、死亡率は2.27%だった。群馬大病院の場合、10年12月以降に実施された同手術の過半が腹腔鏡で行われ、死亡率は13.8%にも上った。
上司である教授の管理能力が欠如
上昌広・東京大学医科学研究所特任教授は、「執刀医の上司である第二外科の教授の管理能力が決定的に欠けていた」と指摘する。
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