安倍晋三首相がひそかに「明治の元勲」といわれた第3代首相山県有朋を研究しているという。なぜ今、山県有朋なのか──。歴史家の半藤一利氏は、著書『山県有朋』(ちくま文庫版)のあとがきに次のように記している。
「山県有朋は近代日本をつくりあげた最高の権力者なのである。権謀術数のかぎりをつくし、秘密主義、官僚的、さらに冷酷なところも多々あり、人気の出ようのないことはわかる。しかし、忘れ去ってしまうのは、近代史を学ぶものとしては、いささか不当の感がある。山県のすごさは、明治・大正の二代の天皇すら利用価値が最大な道具としたことである。」
では、軍人政治家・山県有朋は、いったい何を残したのか。
山県は同じ長州藩最下級武士出身であり、大日本帝国憲法制定、内閣議会制度を導入した伊藤博文とともに「元勲」と並び称された。
ところが、性格的に「陽」の伊藤に対し「陰」の山県は人気がなく、毀誉褒貶(きよほうへん)が著しかった。
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