2014年、日本を訪れた外国人は1300万人超。円安進行に加え、ビザ発行要件の緩和が追い風となり、前年より300万人近く増えた。日本政府はこの数を20年に2000万人、30年に3000万人に増やす目標を立てており、「観光立国」を期待する声がにわかに盛り上がっている。だが、フランスの8000万人超や米国の7000万人超とはまだ天地の差がある。
問題は人数だけではない。実は日本の観光業収入は、香港やマカオと比べても3分の1程度でしかない。世界的に見れば日本は観光後進国だ。「ただ観光客が来ればいいというものではなく、地元にカネを落とさないと意味がない」と指摘するのは、小西美術工藝社のデービッド・アトキンソン社長だ。
小西美術工藝社は文化財の保存・修理の世界で最大手。日光東照宮や出雲大社、京都の三十三間堂といった名だたる寺社を手掛けてきた創業370年の老舗である。その経営者として文化財の世界を知り尽くしたアトキンソン氏から見れば、日本には文化財というキラーコンテンツを生かすための工夫がまるでない。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら