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グーグルを揺さぶる中国 アメとムチを使い分け

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中国は共産党に不都合な情報から国民を遮断すべくネット規制を強める。その圧力と巨大な市場の魅力との間で米国IT企業は揺れている。

グーグルが撤退した2010年には中国のネットユーザーは3億人。現在その数は6億人に増えている(ロイター/アフロ)

新華社通信の記者出身で今年55歳になる魯イ(火へんに韋)氏は、中国のインターネット規制を取り仕切る人物である。彼は昨年5月から中国共産党の中央ネット安全・情報化管理小組で事務局長を務めている。これは、トップを習近平国家主席が自ら務めている重要組織だ。

魯氏は12月2日、米国の首都ワシントンで開かれた中米インターネット産業フォーラムに出席した。その後にアップル、アマゾン、グーグル、フェイスブック、イーベイなどを訪問したが、どこへ行っても最高の待遇で迎えられた。多忙なトップたちは最初から最後まで見学に同行したのみならず、ひたすら魯氏のご機嫌取りに努めたのだ。フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏は、自分の執務机の上にわざわざ習主席の著書を置いてみせた。

魯氏のネット管制についての主張は、前任者たちよりわかりやすい。彼は「ネット上の著名人は法律法規の最低線(守るべき一線)、社会主義制度の最低線および祖国の利益を維持する最低線を守らなければならない」とはっきり話しているからだ。

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