【産業天気図・家電・AV】エコポイント剥落で国内活況が一転、年明けから下り坂へ
10年10月~11年3月 | 11年4月~9月 |
家電・AV業界は2010年度に活況を謳歌した。10年10月~11年3月にかけてはエコポイント政策の効果で「晴れ」が続く見通しだ。だが11年4~9月にかけては、エコ特需剥落が待ち受ける。国内の縮小分を新興国で補おうにも、激しい価格競争は避けられない。このため増益幅は小幅にとどまる見通しで、「曇り」に転じそうだ。
「会社四季報」新春号の業種別展望では、家電・AVメーカーを含む電気機器業界の今11年3月期は、業界全体の営業利益総額が前期比129%増となる見通し。来12年3月期は、同15.1%と増益幅は縮小することが見込まれる。
今期は各社とも、特需の恩恵を大きく受けた。6月のFIFAワールドカップに続き、国内限定ながら政府のエコポイント政策によりテレビ販売が過去最高レベルで売れまくった。12月からはポイント半減や対象商品の絞り込みが行われたが、完全に終了する11年3月までは伸びが期待できる。国内のテレビ販売台数は年1000万台程度だが、10年度は2200万台規模まで膨れ上がる見通しだ。
前期に断行したリストラ効果もフルに寄与した。パナソニックやソニーは構造改革による大幅なコスト削減を行っており、想定以上に進んだ円高を何とかしのいでる。2010年10~11年3月にかけてもエコポイントの効果が見込まれるため、為替の下押し要因を何とかかわすことができそうだ。