現3年生(2012年3月卒業予定)の新卒採用に回復の兆しか?【映像あり】
現4年生(2011年3月卒業予定)の内定獲得状況は厳しいが、現3年生の内定は好転するかもしれない。
まず、現4年生の状況から説明する。
就職情報会社・ディスコは、10月1日~11日にかけて、11年3月卒業予定の大学生モニター2000人を対象に就職活動状況調査を行った。それによると、10月1日現在の内定率は76.9%で、前年(77.0%)に引き続き8割を割り込んでいる。状況は依然として厳しい。
大学を「国公立」「私立」別に分けて見ると、国公立84.0%、私立70.1%と大きな差が生じている。09年の調査では両者とも前年より内定率が下がったが、10年は国公立が持ち直し、私立はさらに落ち込んだ。
就活の費用、前年を上回る
「リクルートスーツ代」「交通費」など就職活動にかかった費用は、平均で16万7166円となり、前年調査の16万2911円を約4000円上回った。
物価低下を受けて、「リクルートスーツ代」は前年に比べて3000円減少した。逆に
増加が目立ったのは「交通費」で、前年の7万4980円から8万1531円へと約6500円も増えた。交通費増加はエントリー社数の増加と就活期間の長期化を表している。
それでは、現3年生(12年3月卒業予定)はどうなるだろうか?
ディスコは10月12日~20日、全国の主要企業1万3675社を対象に、12年3月卒業予定者の採用活動に関する企業調査を行った。
12年3月卒業予定者の採用予定数について聞いたところ、「増減なし」(前年と同数)との回答が43.1%、「増加」が13.5%、「減少」が6.5%となった。
(1)「増加」が「減少」の2倍超となったこと、(2)採用数「未定」とする企業の割合が前年に比べ少なくなっていることから、ディスコの調査担当者は「わずかながら採用回復の兆しが表れ始めたといえそうだ」とコメントする
中小企業や上場企業でも外食産業のような不人気業種は、現在の状況を人材獲得のチャンスととらえて、採用意欲が強い。いまだに11年3月新卒を採用したいと考えている企業は少なくないし、こうした企業は12年3月卒の採用にも前向きだ。
就職戦線は厳しいが、真っ暗闇の状況からは抜け出しつつあるのかも知れない。
(東洋経済HRオンライン編集長:田宮寛之
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