異形の日本人 上原善広著
本書に描かれる6人の日本人は皆、社会の片隅で懸命に生きるマイノリティである。
アスリートでありながらたばこを吸い、徹夜の二日酔いで競技に出ても見事優勝してしまう、破天荒なやり投げ選手。難病を患いながらも、わいせつ裁判を闘い抜き短い命を散らした脊髄性筋萎縮症の女性。あるいは、特殊な火薬を使って股から炎を吹き上げるという誰もまねのできない荒技で各地を転々とするストリッパー……。
大宅賞を受賞した著者がマイノリティにこだわるのは、自身が被差別部落出身であることと無関係ではあるまい。虐げられ差別や偏見と闘いながら生きる彼らの姿と、彼らを排除する社会のあり方から、人間の本質を突く。
新潮新書 714円
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