「現職の先生」「学生さん」、そして「学校をやめた人」と話してみたいですね。
先生には、さっきの話のとおり教育現場と家庭の連携について聞きたい。逆に先生が困っていることも教えてもらって、その解決方法を学校の「外」の人間として考えてみたいです。
「学生さん」には、シンプルに「学校楽しいか?」って問いかけたいですね。学校生活で楽しいこと楽しくないこと、やりたいことやりたくないことなどリアルな意見を集めれば、ぶっちゃけ学校教育に不要なものも出てくるんじゃないかと思うんです。もしかしたらここに、先生方との齟齬(そご)もあるかもしれません。
最後に「学校をやめた人」ですが、やっぱり「何が嫌でやめちゃったのか」が気になります。それこそ、EXITのかねち(お笑い芸人・E X I Tの兼近大樹)は将来的に高校に通い直したいらしくて。どんな学校だったら通いたいか、今何を学びたいかをひもとけば、今の学校に必要なものも見えてくる気がします。

――ちなみに、卓也さんが学校で「教えてほしかった」ことは何ですか?
強いて言えば、「大学進学だけがすべてじゃない」ということですね。今の人生に後悔はないですが、ふとした時に「もし、高校卒業後すぐにお笑い芸人になっていたら?」と考えることがあるんです。僕は大学生と社会人を経て25歳で芸人になりましたが正直、高校時代から自分はめっちゃ面白いと思っていて(笑)、周りにも芸人になることを勧められていたんです。18歳でこの道を選んでいたら、当時弟は小学生だから友達などとコンビを組んでいたでしょうし、また違う人生だっただろうな。
――なぜ大学へ進学したのですか?
高校が進学校で、大学進学は当然だと思っていました。また当時は、世の風潮的にも、夢に挑戦するには相当な覚悟を決めないといけない印象が強くて。夢を追うのは今以上に難しい空気でしたね。そこで誰か一人でも、たった1回でもいいから、先生の口から「いろいろな選択肢があるぞ」「大学が100%じゃないぞ」と言ってほしかったかもしれません。そうすれば、違う選択肢を取った生徒は多くいたと思うんです。実際、大学を中退して違う道に進んだ人は多い。僕らは大学進学がすべてではないことに後から気づいたので、今17歳18歳の子にはすぐにでも伝えてあげたいです。
――とはいっても、大学に進むことで新たな選択肢を得る人もいますよね。
はい、もちろん無責任な発言はできません。しかも、先生は全員大学を出ているという点も難しいんです。ただ、大学には何歳からでも入れますから、今本当にやりたいことがある人は先にそっちをやってもいいんじゃない?と思いますよ。
(企画・文:田堂友香子、撮影:今井康一)
東洋経済education × ICT編集部
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