――卓也さんが教員になったら、どのような授業をしますか?
これ難しいですね(笑)。教育現場もそうとう苦労しているんだと思います。絞り出すなら、やはり「将来」よりも「今」をどう生きるか伝えたい。進学校では難しいかもしれないけど、今をより楽しく過ごすためにどう行動していけばいいか教えてあげたいです。

教科的な部分では、「学ぶ意味」にちゃんと言及したい。よく、「sin、cosって将来使わないじゃん」とか言いませんでした?(笑)。数学なら論理的思考力、現代文なら相手の心情を読み取る力など、それぞれ生活につながる部分もあるはずなのに、結構な人が学ぶ意義を見いだせていない。そこは解決してあげるべきかな。一応、大学の教職過程でもこうした内容を学ぶのですが、学生も単位のためにひたすら暗記しているだけだったり……。こうした点は、将来教員になる学生さんともぜひ話し合ってみたいです。
家庭教育と学校教育の連携が気になる
――現在の日本の教育において、気になる課題はありますか?
「先生と親との関係性」ですね。理想は、教師と親とで一緒に子どもを教育できる環境。そこで親としては、学校と家庭がどれほどフランクに連携できるのかが非常に気になります。正直、テストの点数はどうだってよくて、それ以上に友達や先生との関わり方が知りたい。できれば、学校側から教えてほしいなというのが本音です。その機会が年に数回の保護者面談だけなのか、ほかに方法があるのかについては、僕はもちろん、興味を持っている親は多いでしょう。とはいえ、1クラス40人もいますからね。先生の業務負担を考えるとめっちゃ大変だと思います……。
――学校の成績がわかればいいわけではないと。
学校に通わせる目的として、子どもの成績がどうなるかより、子どもの生き方や人間性がどうなるかを重視したい親は多いと思います。勉強はもちろん大事ですが、あくまで人間的に成長するための1手段に過ぎないのではないでしょうか。
――コロナ禍で学校行事は中止が相次ぎ、勉強だけになった学校も多いですね。
子どもの人間的な成長を考慮すると、学校行事ほど大事なものはないんじゃないでしょうか。僕ら土佐兄弟の元にも、「行事が中止になりました。土佐兄弟さん何とかしてください!」というDMがしょっちゅう来ます。学校側には、どうにかして行事を続けてほしいですね。僕らも、学校行事に参加できなかった子のためにイベントをどうにかして開きたいんです。
――実際に、Zoomで後夜祭イベントをされたとか。反響はいかがでしたか?
クイズ大会やミスターコンテスト、合唱をしました。ミスターコンテストは、弟が早着替えして1人5役に(笑)。僕らがゲストという設定で、漫才も披露しましたね。反響として多かったのは、「登校した気分になれた」という声です。朝からワクワク、ソワソワする感じだけでも味わってもらえたら最高。今後もこうしたイベントを続けたいですし、これで儲けるつもりもないので、ぶっちゃけ「高校生はタダでいいんじゃないの?」と思っています。いずれは体育館を貸し切ってリアルイベントをしたり、地域活性化を兼ねて遠方出張もしたい。僕らが漫才をすることで、少しでも多くのお客さんが来てくれれば万々歳。自治体や学校は僕らにどんどん声をかけてほしいです。
これから考えたい「学校」のこと
――今回さまざまな疑問や要望が挙がりましたが、教育に関して今後どのような人と議論をしてみたいですか?