小田急沿線の「古くて新しい廃線跡」途中下車の旅 東北沢の線路街、向ヶ丘遊園のばら苑など巡る
一旦、東北沢駅に戻り、北側の脇を進むと、駅西口に出て「下北線路街」が始まる。人がゆったりとすれ違えるくらいの幅で、時折自転車も駆け抜ける。ところどころにはベンチがあり、仕切りにレールを輪切りにした文鎮のようなものが置かれている。鉄道の名残を感じさせ、廃線跡らしくてよい。右手には、ホテル、カフェ、商業施設が並ぶ。
その先には、立ち入り禁止の空き地があるので迂回して下北沢駅前へ。広々とした空間は、イベントやマーケットを催す場所として活用するためのようだ。活気あふれる下北沢にふさわしい。地下に潜った駅の真上2階には「シモキタエキウエ」という商業施設がある。カフェや飲食店、雑貨店など雑多な店舗が入っているものの、広々とした真新しい空間のためか、どこか上品な感じがする。
緑豊かなエリアも
さらに進もうとすると、工事中になっている。廃線跡を離れ、迂回して世田谷代田駅を目指す。しばらく歩き、鎌倉通りを渡ったところから再び遊歩道が始まる。今度は公園や保育園があったりと雰囲気が変わり、その先でゆるやかにカーブすると緑豊かな別世界のようなエリアが現れる。
左手に高級そうな和風の建物がある。よくみると温泉旅館だ。何でも箱根から湯を運んでいるとのこと。割烹・茶寮もあり、都心とは思えない雰囲気づくりに惹かれる。日帰り入浴もできるそうで、コロナ禍が落ち着いたら、のんびり時間を過ごしたい。すぐ脇にある世田谷代田駅の裏口のような改札口も、山間部の駅を彷彿とさせ、秀逸な演出だ。
しばらく進むと、世田谷代田駅の正面の出入り口が現れ、駅前広場を突っ切ると、環七通りを陸橋でまたぎ、テラスハウスの脇を過ぎると庭園がある。庭園の先で小田急線は地上に出て、梅ヶ丘駅に続く。地下化で廃止となった地上区間の散歩は終わりだ。まだ完成はしていないけれど、思った以上に充実した「線路街」だ。
世田谷代田駅から小田急線に乗り、小田原方面に向かう。多摩川を渡り、登戸駅の次の向ヶ丘遊園駅で下車する。
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