ソロスの講義録 ジョージ・ソロス著/徳川家広訳

ソロスの講義録 ジョージ・ソロス著/徳川家広訳

一代で莫大な資産を築き上げたソロスによる、新しい投資指南書と思うと間違う。「不確実性が異常なまでに高い時代」を読み解く、思考力涵養書と言ったほうがいい。

だが、2008年9月刊行(日本版)の『ソロスは警告する』での「バブル崩壊」、翌年版の「景気の一時的回復」の指摘と同様に、読者の知りたい勘所の未来予測(収録の講義自体は09年秋実施)は外さない。背景説明、理論的な裏づけに軽妙なタッチも加え、極力かみ砕いて示す。

いわく、「回復はじきに息切れし、下手をすると『二番底』が現実のものになる」「ユーロは不完全な通貨……『全ヨーロッパ財務省』は存在しない」「中国は天然資源の産出国とのかかわりにおいて、かつての帝国主義諸国と同じ過ちを犯している」……。

グローバル資本主義、国家資本主義ともに賛同せず、持論の「開かれた社会」の実現へ新研究所を開設するなど挑戦を続ける。

講談社 1470円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ミセス・パンプキンの人生相談室
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 「非会社員」の知られざる稼ぎ方
  • 「コミュ力」は鍛えられる!
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
集中連載「日立 踊り場の先へ」<br>ガバナンス問われる英国原発

日立製作所が着々と進めてきた英国の原発計画。来年にはすべての認可を得て、進むか退くかの最終判断を迫られる。経済合理性は疑問だが、会長案件という思惑も絡む。今の日立はどう判断するか。まもなくガバナンス改革の真価が問われる。